第39回(2024)
京都賞の受賞者による記念講演会を京都で開催します。受賞者の功績だけでなく、人生観や人柄にも触れられる貴重な機会です。その分野で世界の最高峰にいる受賞者がエピソードを交えながら語ります。
*定員に達しましたため、申し込み受付を終了いたしました。多くのご関心を賜り、誠にありがとうございました。
*当日は事前に申し込みをいただいた方のみご入場いただけます。申し込みがない方の入場はお受けいたしかねますのでご了承ください。
2024年
11 /11 月
13:00〜16:10
第39回(2024) 京都賞受賞者
講演テーマ
私の人生と科学
講演要旨
私は1943年にアシュトン・アンダー・ラインという、イングランド北西部、ランカシャー州の工業都市で生まれました。そこで育ち、学校へ通い、ピアノを習いました。友人もたくさんできました。私の人生に変化が訪れたのは、1962年のことです。その年に私は、科学の勉強を続けるためにケンブリッジ大学に進学しました。ケンブリッジで過ごした13年の月日が、科学者としての私を形成し、また文化的なものに接する多くの機会、とりわけ音楽への造詣が深まる機会を与えてくれたのです。次の転機は1975年で、私は北部に戻り、政府の新しいシンクロトロン放射光施設の理論グループの責任者として働くことになりました。これは私のキャリアにおいて大きなステップアップになりました。ケンブリッジで出会ったパットと結婚したのも、その在職中のことです。そして最終的に、1981年にインペリアル・カレッジ・ロンドンに移りました。そこで私の研究は多くの分野に広がり、発展しました。その一部を講演でお話しします。
講演テーマ
遠い地質時代を踏破する
講演要旨
私の両親は、子どもはいつも野外に出すようにして、可能な限り自分自身で自由に過ごさせるべきだと考えていました。私は人生を通してその教えを守ってきました。私が生まれ育ったカナダは、人口が少ない反面、多くの岩石が露出している国ですが、私はそこで多様な岩石の分布を地図に描くことを通して惑星地球の歴史を解明することに魅了されました。私の大学入学はちょうど地球科学においてプレートテクトニクス革命が起きた時でした。この理論によって、それまで不明瞭だった大陸と海洋の緩やかながら密接な結びつき、地震と火山の分布、生命活動や気候変化に関わる物質循環サイクルの仕組みなどが見事に説明されるようになりました。私はカナダ北部を歩き回って調査し、プレートテクトニクスが数十億年にわたって起きてきた現象であること、また過去に何度も起きた超大陸の形成・分裂の流れを解明する上での鍵となった北米大陸の形成史を明示することができました。またアフリカ南部では、先カンブリア時代末期に地球表面が全て凍結し、海洋も6000万年も氷で覆われたという常識外れの仮説を野外調査で検証し、全球凍結が本当に起きたことを実証しました。全球凍結の開始時に偶然氷河環境に適応していた幸運な祖先達の系譜が後の生物となり、現代生物のゲノム中にも全球凍結時代の名残が刻まれています。
講演テーマ
ときに、わたしは花々にキスをする
講演要旨
この講演「ときに、わたしは花々にキスをする」は、芸術の世界で、ある人生の成長を支えた風景を紹介し、ビリー、ビル、ウィリアムという三つの異なる呼び名を持つ芸術家が、振付という領域において自らを宣言することを可能にした、その名前の詳細な展開を導くことになります。この講演ではまた、この3人の芸術家と自然との関係を実証します。彼らはすでに若い頃に、自然という本質的な実在を試し問うように求められていたからです。
12:00 | 開 場 |
13:00 | 開 会 挨拶:金澤 しのぶ(稲盛財団 理事長) |
13:05頃 | 受賞者講演 ジョン・ペンドリー (先端技術部門) 「私の人生と科学」 |
14:00頃 | 受賞者講演 ポール・F・ホフマン (基礎科学部門) 「遠い地質時代を踏破する」 |
休 憩 | |
15:15頃 | 受賞者講演 ウィリアム・フォーサイス (思想・芸術部門) 「ときに、わたしは花々にキスをする」 |
16:10頃 | 閉 会 |
*各講演後には、インタビュアーの石井麻由子さん(元NHKアナウンサー/フリー)が私たちの目線に立って、講演内容や人生観などについてご本人に問いかける予定です。
*終了時間は当日の進行状況により多少前後する場合がございます。
■主催:公益財団法人 稲盛財団
■後援:京都府 京都市 京都府教育委員会 京都市教育委員会 京都府私立中学高等学校連合会 大学コンソーシアム京都 京都商工会議所 京都新聞 朝日新聞社 毎日新聞社 読売新聞社 日本経済新聞社 産経新聞社 共同通信社 時事通信社 NHK KBS京都 エフエム京都
お問い合わせ
京都賞運営事務局 株式会社コングレ内
TEL:050-1736-6280(平日 10:00〜17:00)
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