京都賞について
「京都賞」は、科学や技術、思想・芸術の分野に大きく貢献した方々に贈られる日本発の国際賞です。
「科学や文明の発展と人類の精神的深化のバランスをとりながら、未来の進歩に貢献したい」。
稲盛和夫のそのような願いが込められています。
3つの部門の受賞者には、メダルやディプロマのほか賞金1億円が贈られます。
「人のため、世のために役立つことをなすことが、人間にとって最高の行為である」。京都賞は、創立者である稲盛和夫の人生観を色濃く反映した【京都賞の理念】にもとづいて顕彰しています。
自分を育んでくれた世の中に恩返しがしたい。人知れず努力を重ねて人類の発展に貢献した人たちに、心から喜んでもらえる賞をつくり、未来の発展につなげたい。それが「人のため、世のため」になると考え、約200億円の私財を投じて稲盛財団を設立し、京都賞を創設しました。
京都賞は、【先端技術部門】【基礎科学部門】【思想・芸術部門】の3部門からなり、各部門
はそれぞれ4分野で構成されます(合計12分野)。毎年各部門に1賞、計3賞が贈られます。
賞金は1賞につき1億円です。
京都賞の大きな特徴の1つは、「科学」と「思想・芸術」の分野が併存していることです。これは「人類の未来は、科学の発展と人類の精神的深化のバランスがとれて、初めて安定したものになる」という稲盛和夫の考えに由来しています。
選考は、各部門の専門委員会、審査委員会および京都賞委員会の3段階からなる京都賞審査機関によって、公平かつ厳正に行われます。選考の対象となる候補者は、稲盛財団が年ごとに信任する国内・海外の有識者からの推薦により決定します。まず、当該分野の専門家による各部門「専門委員会」が開かれ、候補者が絞り込まれます。続いて、各部門「審査委員会」で、絞り込まれた候補者を中心に、より広い見地から審査が行われます。さらに、3部門をまとめた「京都賞委員会」で総合的な立場から京都賞の理念に照らした審査が行われ、最終的に理事会の承認を得て受賞者が決定されます。
受賞者の栄誉をたたえ、悠久の自然と科学の融合が人類に幸せをもたらすという考えのもとに、文化勲章受章者である彫金家の帖佐美行氏(1915-2002)によってデザインされました。
メダルの中央にあるのは楠です。楠は昔から「神の木」として自然信仰の対象とされ、悠久、永遠の象徴と考えられています。
総重量約250g、20Kの金からなり、まわりにはイナモリストーンとよばれる再結晶エメラルド(4.56ct)とルビー(6.88ct)が、それぞれ4個ずつあしらわれています。メダルの裏面には、受賞者の氏名と授賞年月日が刻印されています。
縦34.5cm、横63cmの二つ折り。右には授賞部門、年度、受賞者の氏名を記し、左には臨済宗妙心寺派管長の揮毫による墨書が付されています。
京都賞メダル
2021年のディプロマ
京都賞をはじめとする稲盛財団の活動を広く紹介する展示施設を設置しています。人類の平和と繁栄に貢献した歴代受賞者を紹介した写真パネルや、メッセージ動画などが見られます。
京都市京セラ美術館「京都賞コーナー」
鹿児島大学 稲盛記念館「京都賞ライブラリー」
稲盛ライブラリー