英国王立協会は、18日、2017年のロイヤル・メダル受賞者に、米国プリンストン大学のピーター・グラント博士とローズマリー・グラント博士を選出したと発表。「ガラパゴス諸島でのダーウィンフィンチ類の研究により、自然淘汰が頻繁に起こり、その結果、進化が急速に進むことを実証した」ことが認められました。ロイヤル・メダルの長い歴史のなかでも、夫婦での受賞は初めてのことです。
同協会は1660年に英国王チャールズ2世のもとに設立。世界的にも歴史と権威ある学術機関として知られ、アイザック・ニュートンも会長を務めていました。
グラント博士夫妻は、イギリス生まれで生年も同じ。移り住んだカナダのブリティッシュコロンビア大学で、ふたりは初めて出会いました。その後、ご結婚され、研究者としてイエール大学に移ります。このとき、ピーター博士を同大学に招いたのが、1986年京都賞受賞者のジョージ・ハッチンソン博士(陸水生物学者)でした。
ピーター博士は生態学を、ローズマリー博士は遺伝学を専門に、ガラパゴス諸島での野外研究を開始。40年以上にわたるダーウィンフィンチ類の研究により、進化機構の解明と実証に多大な貢献を果たしておられます。2009年には京都賞基礎科学部門をご夫婦で受賞。
さらなるご活躍に、心よりお慶び申し上げます。