5月9日、10日(現地時間)、英国オックスフォード大学にて6回目となるKyoto Prize at Oxford が開催され、第37回(2022)京都賞受賞者のカーヴァー・ミード博士、ブライアン・T・グレンフェル博士、ザーキル・フセイン博士によるパネルディスカッションや公開講演が行われました。現地での様子をお知らせします。
受賞者3名が一堂に会するパネルディスカッションは、日米英の3カ国にて展開される京都賞関連行事のうち、Kyoto Prize at Oxfordでのみ開催されているイベントです。ブラバトニック公共政策大学院のウッズ学長が進行を務め、「次のパンデミックはいつか。どう備えればよいか」「各分野の立場から政府に言いたいことはないか」など、公共政策の専門家を養成する同大学院ならではの議論が交わされました。加えて、「若手研究者の視野を広げるためには」「こんな能力があれば良かったと思うものは」「壁にぶつかったときの受け止め方は」など、研究、教育から個人の考え方を問うものまで、受賞者に対し多岐にわたる質問も寄せられました。これに対し受賞者からは、「他者から強制された学びではなく、自身の興味関心、知的情熱の赴くままに進めばよい(ミード博士)」「自分の背中を追いかけてくれる人にかける言葉を適確に見つけられるようになりたい(ザーキル・フセイン博士)」「分野や立場を越えて学び合うことが大切(グレンフェル博士)」といった発言があり、受賞者の人柄や考え方がうかがえる機会となりました。
各受賞者による公開講演には、会場、オンライン共に幅広い参加者が集まりました。なかでも、大学構内の歴史ある音楽ホールで開かれたザーキル・フセイン博士の講演は、ゲストに共演者を迎え、パフォーマンスを織り交ぜながら進められました。どの部門においても講演後に質疑応答の時間が設けられ、各分野に関する質問が多く挙がったほか、研究者になろうとする若者への熱いエールも送られ、自由闊達な知的交流が行われました。
オックスフォード大学の新総長、アイリーン・トレイシー総長主催の歓迎夕食会には、グレンフェル博士とザーキル・フセイン博士夫妻に加え、林肇駐英日本国大使も臨席され、受賞者への祝辞とオックスフォード大学における京都賞行事への期待を述べられました。会場には日本に縁ある研究者・学生はじめ英国内外各界から100名超が集い、文化交流や学術交流に花を咲かせる和やかな会となりました。
*パネルディスカッションや公開講演の様子は、英国オックスフォード大学ブラバトニック公共政策大学院のYouTubeチャンネルにてご覧いただけます。
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