「科学技術と社会構造の相互作用に着目し、『近代』の根底的見直しを図る哲学の展開」によって第36回(2021)京都賞思想・芸術部門を受賞した、ブリュノ・ラトゥール博士が逝去されました。75歳でした。
ラトゥール博士は、自然、人間、実験装置などを等しくアクターと見なし、科学技術をそれらのハイブリッドなネットワークの作動と記述して科学観に新風を吹き込みました。自然と社会の二元論に基づく「近代」を見直す哲学を展開し、地球環境問題への提言を含む多面的活動は分野を超えた影響を与えてきました。
心よりご冥福をお祈りいたします。