「一枚の布」というコンセプトのもと、時、国籍、階級を超えて人々の生活の中に生きる衣服を創造し続けた三宅一生氏が8月5日、逝去されました。84歳でした。
フォルムを保ちつつも体を縛らず、平たく折り畳める服「プリーツプリーズ」、筒状に織られた布がそれ自体で服として完成している「A-POC」など、独自の製法の開発により、衣服デザインの一つの理想形を示しながら、同時にそれらが量産可能であることを証明し、衣服生産に大きな革新をもたらしました。
三宅氏のデザインは、日本国内や世界各地の展覧会で世界に広く紹介され、20世紀後半を特徴付ける芸術として高く評価されています。
三宅氏は2006年、「東西文化の融合と最先端技術の追求によって、衣服の革新的な発展に大きく寄与したデザイナー」として、第22回京都賞思想・芸術部門を受賞しました。
心よりご冥福をお祈りいたします。