青色発光ダイオード(LED)の発明に貢献した赤﨑勇博士が4月1日、逝去されました。92歳でした。
赤﨑博士は、窒化ガリウム(GaN)の結晶成長と発光ダイオードへの応用の研究を粘り強く進め、青色発光ダイオードの発明への道を拓きました。青色発光ダイオードが発明されたことで、光の3原色のLEDがそろって白色照明が実現し、現在の私たちの暮らしを支える照明器具やディスプレイ、レーザーポインターなどに、幅広く利用されるようになりました。この技術は、エネルギー消費量の削減にも貢献しています。
赤﨑博士は2009年、「窒化ガリウムpn接合の先駆的実現による青色発光素子発展への貢献」により第25回京都賞先端技術部門を受賞しました。その後、2011年に文化勲章を受章し、2014年にノーベル物理学賞を受賞しています。
赤﨑博士が京都賞ウイークの際に語られた言葉をいくつかご紹介します。
「青色に出会ったときに、とり憑かれてしまった。誰もやれなかった。これこそ自分がやることだと思った」──受賞者インタビュー動画より
「何かを学ぶには、自ら体験する以上にいい方法はない。新しいことをやるときは失敗はつきもの。失敗を積み重ねてきた実験からくる、何かの勘。私はそれを非常に大事にしている」──受賞者インタビュー動画より
「“我一人荒野を行く”心境でしたが、たとえ一人になっても、GaN研究を止めようとは思いませんでした」──記念講演会「コバルトブルーに魅せられて」より
心よりご冥福をお祈りいたします。
受賞当時のインタビューを下のYouTube動画でご覧いただけます。