京都賞ウイークの最後を飾るのは、鹿児島県の高校生が多く参加する鹿児島講演会です。16日に鹿児島県の宝山ホールで開かれ、1200人が参加しました。
鹿児島県には多くの離島があります。稲盛財団では、次世代を担う高校生らに世界の叡智にふれる機会をつくろうと、離島の高校生を講演会に招待しています。今年は、奄美大島と種子島にある3校から165人が参加しました。
生徒たちは時折メモをとりながら、真剣な眼差しを受賞者にそそいでいました。「研究の分野を変えたときの心境は」、「宇宙の地図をつくって人生観に変化はあったか」、「これまでの表現方法を打破するにはどうしたらいいか」などの質問が飛び交っていました。
さらに今回は、高校生3人を京都での授賞式に招待しました。感受性豊かな3人は何を見て、どんなことを感じとったのでしょうか。
奄美大島から飛行機を乗り継いで京都に向かいました。もっと英語を勉強して、受賞者が考えていることをきちんと理解し、直接話してみたいと思いました。世界に目を向けて勉強することの大切さを実感できました。授賞式は厳かな雰囲気で緊張しました。見るものすべてが見たことのないものばかり。合唱が素晴らしく、目を閉じて歌声だけを聞くと小学生とは思えませんでした。
心に残る授賞式でした。科学の発展や今の豊かな生活が、その場にいる人たちのおかげだと思うと、頭が下がる思いがしました。また、「世のため人のために」という京都賞の理念に共感しました。僕も未来の世代に向けて世のため人のために尽くせる人間になりたいです。僕は医学部を志望しています。将来は故郷の熊本に戻り、医者として熊本の人たちに恩返しがしたいと考えています。
京都賞の授賞式は普段目にすることのない世界でした。自分のためではなく誰かのためにという思いで、どれほど多くの人が京都賞に携わっているのだろうと想像すると感動しました。京都賞に参加することで、普段何気なく使っているスマホや、何気なく見上げている宇宙への理解、演劇といったものが、たくさんの努力と失敗の積み重ねの上にあるものなのだと実感しました。