この1月31日に、フランスを代表する美術施設ジョルジュ・ポンピドゥ国立芸術文化センター(通称:ポンピドゥ・センター)が40周年を迎えました。
フランスには世界に誇る美術館が数多く存在します。なかでもルーブル美術館は古代ローマから1848年までの作品を、オルセー美術館は1848年から1914年までの作品を、そして、ポンピドゥ・センターは20世紀初頭から現代にいたる美術作品をそれぞれ展示しています。すなわち、同センターはルーブル、オルセーと並び、美術作品を通時的に現代に継承するフランスの美術の殿堂のひとつと言えます。
ポンピドゥ・センターはレンゾ・ピアノ氏(1990年京都賞受賞)とリチャード・ロジャース氏による共同建築です。ピアノ氏は、音楽家ピエール・ブーレーズ氏(2009年京都賞受賞)と協力し、センター内にIRCAM(Institute for Research and Coordination in Acoustics/Music)をつくりました。その過程で「芸術と建築の境界線、一つの分野と別の分野の境界線は、実際には存在しないことを学んだ」といいます。
京都賞の思想・芸術部門受賞者が、文化の国フランスで共鳴し、豊かな感性を探究するための施設の創造でつながっていたことにも、ふしぎなご縁を感じます。