北海道札幌市のモエレ沼公園では、「イサム・ノグチ あかり展」が3月5日までのあいだ、「ガラスのピラミッド」を会場に開かれています。
イサム・ノグチ氏が「あかり」に魅了されたのは1940年代。彫刻と光とがひとつになった作品 “Arizona” や “Lunars” を手がけたことがきっかけだと振り返っています(1986年京都賞記念講演会「私の歩んできた道」より)。―― 光、反射表面、そして内側から照明された彫刻。
1951年、岐阜県を訪れたノグチ氏を惹きつけてやまなかったものは、伝統工芸の「岐阜提灯」。和紙と竹、そして内側に照明をもった提灯は、発光する彫刻そのものでした。その後、ノグチ氏は生涯にわたり200種類もの「あかり」を手がけています。
美的目的ではなく、生活の一部としての彫刻の有用性にこだわりつづけたイサム・ノグチ氏。同展では33作品の「あかり」が、やさしく来場者を迎えます。